16日から左前脚に腫れが見られ、痛みも伴っていたため、水冷を施し様子を見ていた。しかし、腫れが一向に引かないため近日中に検査を行う予定。「昨日から左前脚に腫れが見られました。1日経っても腫れは引きませんし、かなり痛がる素振りを見せています。まだ詳しい検査をしていないので断言は出来ないのですが、症状からしておそらく繋靭帯を痛めたと思われます。この馬で重賞を勝たせてもらいましたし、障害二戦目での変わり身に期待していただけに・・・。現在の脚元の状態も芳しくなく、7歳馬で今後の回復にかかる時間を考えると、大変厳しい状況と言わざるを得ません」(音無師)脚元の状態に年齢的なこと加味して検討を行った結果、近日中に中央競馬登録を抹消することになりました。本馬に出資されています会員の方へは追ってお手紙をもちましてご案内申し上げます。
クラブ所属馬近況
2006年朝日チャレンジカップ(GIII)に優勝したトリリオンカット号(牡7歳 栗東・音無 秀孝きゅう舎)は、10月20日付で競走馬登録を抹消することとなりましたのでお知らせいたします。
なお、同馬は今後千葉県富里トレーニングファームにて乗馬となる予定です。
トリリオンカット号が競走馬登録抹消
ついにこの日がやってきてしまった。
確かに最近はまともに走ることがなくなり、そろそろヤバイかもなぁと思っていたが、障害に転向したことで活路を見いだしたりできるかもと少々期待していたし、やっぱり障害だろうと何だろうと、愛馬がレースに出走するということ自体が、まぁ、当然期待するし、そのレースを迎えるまでであるとか、レース中の緊張感であるとか、そういった諸々の楽しみが発生するわけで、例えば、日本ダービーのようなG1中のG1にも勝るとも劣らないおもしろさがそこにあるわけである。さらに、トリリオンカット号については、愛馬の中でも本当に特別な存在であり、自分の日常のあらゆるイベントにおいても、ほぼ最優先事項であり、周りのいろんなひとをいい意味でも悪い意味でも巻き込んでやった。よって、最もわかりやすい言葉で今の心境を述べると、ぽっかりと胸に穴が空いた感じというやつである。
と、まぁ、グダグダ言ってもしょうがないのだが、ちょっと彼について軽く振り返ってみると、次のようなことが思い出される。
- 1歳馬募集の際に、父のスウェインが結構好きだったこと、鉄の女ことトリプティックが近親だったこと等により、即決で出資を決めたこと
- トリリオンカットという名前が、覚えにくく、噛みそうで、走りそうな気がしなかったこと
- 新馬戦が小倉競馬場であったため、観戦しにいったこと
- その新馬戦で、同じキャロットクラブのマッドゲイル号が勝利し、非常にうらやましく、若干妬んだこと
- その後、数戦の後、勝利し、一口馬主での初めての勝利を味あわせてくれたこと
- 初めて愛馬に武豊騎手が騎乗してくれ、さらに勝利したこと
- 愛馬の初めての重賞出走である京都新聞杯で、あわや勝利しそうになりビビったとともに、4着に敗れたためダービーへの出走が叶わず悔しかったこと
- 残念ダービー駒草賞で2着となり、それまで半信半疑だったのが、この馬はいけると確信に至ったこと
- 放牧中のノーザンファーム空港に会いにいき、なでなでしたこと
- セントライト記念で惨敗し、結構ショックを受けたこと
- はじめてのG1出走である菊花賞を京都競馬場まで観戦に行ったこと
- 自分の結婚式当日に出走し、結婚式中にレース結果が気になって気になって仕方がなく、式の最中に携帯電話で結果を確認したこと
- 小倉競馬場への凱旋(?)レースである玄海特別で、オペラシチーに僅差で2着に敗れたが、審議となり、その審議の対象がオペラシチーだったため、ひょっとすると表彰式に出れるんじゃないかと、あわてて走って集合場所に向かうも、到達順位のまま確定されたこと
- その後、勝てそうで勝てない日々が続き、ヤキモキしたこと
- そんな中、松永幹夫とのコンビが抜群であり、もうお手馬決定と思ったのも束の間、幹夫が引退してしまったこと
- それまでたいした怪我もなかったが、はじめて骨折し、しばらく出走がなく、さびしかったこと
- 目黒記念に出走したとき、当日の日本ダービーでメイショウサムソンの単勝で儲かった金額全てを彼に注ぎ、全て持っていかれたこと
- 朝日CCで勝利し、もう何が何やらわからなくなったこと
- 天皇賞(秋)で大放馬をしたこと
- その後、さっぱりやる気をなくしたこと
- 障害に転向したこと
長っ。ま、これも愛ゆえだ。さらに簡潔にまとめると、とにかく自分にとっては初物づくしで、はじめての外車、はじめての勝利、はじめての武豊、はじめての重賞出走、はじめての牧場でのふれあい、はじめてのG1出走、はじめてのクラシック出走、はじめての重賞勝利、はじめてのオープン馬、はじめての放馬、はじめての障害、等々、いろんなことを経験させてもらった。
また、今振り返ってみるとやはり長い年月を感じる。彼がデビューした頃は、たぶん今の嫁とはまだ付き合ってもいなかった。それが今や3歳の娘がトリちゃん、トリちゃんと言っている次第。なんかすげーな、おい。
で、戦績はというと、 競走馬情報 トリリオンカット のとおり40戦6勝で、6枚のテレカを持っている。きょうび、テレカなんか使うことないのに、なんでテレカなのかよくわからんが、どっちみち使わないからどうでもいいやとという感じではあるが、冷静に考えると、6勝ってすごいよ、マジで。そうそうこんな馬持てない。なんか弱かったのか強かったのかわからない馬だったが、6勝ってのはすごい。そこんとこだけは間違いない。
なんか書いても書いても書きたらんくなってきたので、あとはつぼ八あたりで語ることとするが、やはり音無先生はじめスタッフの方々に大切にしていただいたことを、ただただ感謝するばかりである。良い環境に恵まれて、出資者としては感謝の言葉しかない。
そして、ほんとうにほんとうにありがとう、トリリオンカット。とてもさびしくなるけど、これからの馬生をゆっくりのんびりと過ごしてください。ほんとうに長い間おつかれさまでした。いつか会えたらいいな。